2005-01-01から1年間の記事一覧

(15) 平家繁栄の原因

阪本信子 会員 現代においてはある人が驚異的な出世をした時、本人の能力、努力、そして運のよさを考えるものです。 しかし、昔の人の思考回路では、特にその出世を好意的に迎えたくない人物の場合、そういう論理的な結論には至りません。 清盛の場合がそう…

(2005/07/17)義経の合戦を語る

第一話 『義経の戦略と逆櫓の事』 講師 梅村伸雄(兵庫歴史研究会会長) 第二話 『義経と歩む阿讃の道』 講師 井上茂夫(前小松島市教育長) 琵琶演奏 『那須与一』 演奏 川村旭芳(筑前琵琶演奏家) 日時 平成17年7月17日(日)13:30〜16:00 場所 動物園ホ…

(14) 因果応報の矛盾

阪本信子 会員 平家物語の作者が最も強調したいことは、清盛の悪行の報いとして平家が亡んだ、つまり因果応報なのです。 例えば、奈良の寺々を焼いて2ケ月後、清盛は熱病に侵され、さながら焦熱地獄の苦しみの中でその一生を終えました。平家物語によれば、…

(2005/06/05)邪馬台国の証明

講師 坂田護 兵庫歴研会員 「古事記」「日本書紀」の神話は本当に神話なのか! 邪馬台国にたどりつくキーワードは! 「出雲の国風土記」が教える邪馬台国の姿、そしてかたち! 考古学発見が教える邪馬台国の姿! そしてその葬送! 複数存在した「高天原」か…

(13)情厚き清盛

阪本信子 会員 保元の乱は崇徳天皇方の敗北で終わりました。 勝ち組に属していた源義朝は、敵方についた父為義を始め弟たち8人の首を斬りました。保元の乱は源平それぞれが敵味方に分かれて戦っているので、死刑執行には同族の者があたらねばならなかったの…

(十二)遮光器土偶―②  

十二.{しゃこうき}遮光器{どぐう}土偶―② 坂田 護 青森県津軽平野の亀ヶ岡から出土した謎の土偶は、亀を祖神と仰いだ部族・亀族のシンボルであり、部族の守護神の亀面人像として造形されたものだろうと前号で推理した。 「鶴は千年、亀は万年」というのは、…

その3 赤石八景

『日本人の認識の誤りを指摘する』 神戸にあった古代の難波 梅村伸雄 会員 寛文2年(1662)、『続本朝通鑑』の編集を江戸幕府より命じられた幕府の儒者林春斎(鵞峯)は、長男春信(梅洞)・次男春常(鳳岡)および門人の人見友竹(人見竹洞)・坂井伯元らと…

(12)死刑復活

阪本信子 会員 http://d.hatena.ne.jp/hyogorekiken/20050416 からの続き 平家繁栄のきっかけになった保元の乱で死刑が復活した、と貴族たちは騒然となりました。 350年前「薬子の乱」の時、薬子の兄藤原仲成が死刑に処されて以来、表向きには死刑は実施され…

その2 赤 石

『日本人の認識の誤りを指摘する』 神戸にあった古代の難波 梅村伸雄 会員 史学の先輩たちは、短絡的にもいにしえの地名を現在の地名に引き移しているようであるが、まさに学問の違変というべきか、昔も今も地名は変わらないと決めつける愚かさか、面倒な作…

境界争いの歴史的考察(3)

中西輝夫 会員 池田家 その3 輝政は慶長十七年八月従三位参議となり、松平と称します。大阪冬の陣の前年慶長十八年正月二十五日(一六一三)姫路城で亡くなり正三位を追贈されました(五十歳)。結果的には嫡子松平武蔵守利隆が家督のうち四十二万石を相続し…

(11)天皇末裔

阪本信子 会員 http://d.hatena.ne.jp/hyogorekiken/20050409 からの続き 貴族たちが自分たちは武士より優位にあると考える理由は、武士の生業が人殺しである事です。しかし、それも辿ってゆくとそれを命令しているのは貴族であり、武士達はただの手先として…

(2005/03/06)3月例会報告 徳川道とその背景

講師 青山与治郎 会員 氏はシルバーカレッヂの卒業記念として,男女七人で通称「徳川道」(正式には西国往還付替道という)についてのレポートを纏められ、この度それを発表の運びとなりました。 当初は東爪佐七さんとお二人で発表の予定でしたが、急遽東爪さ…

三木の形紙

坂本信子 会員 昨今は街でも着物姿が見受けられるようになりました。 明治、大正の古い着物を現代風に着こなしている若い女性を見ると、やや復権したかのような気配もみえますが、殆どの人は完成した製品の染め上がり、織りあがったものにのみ関心を持ち、そ…

その1 はじめ

『日本人の認識の誤りを指摘する』 神戸にあった古代の難波 梅村伸雄 会員 「難波」といえば、誰もが大阪を思い浮かべ、「古代の難波は大阪であり、この定説は間違いない」と考えるのが江戸時代以降の日本人の常識である。そして、この常識にいささかも疑い…

(10)武者の世

阪本信子 会員 http://d.hatena.ne.jp/hyogorekiken/20050404 からの続き 保元の乱より後「武者の世」が始まったといわれています。 この戦いは崇徳上皇とその弟後白河天皇の勢力争いに端を発し、藤原摂関家、平家、源氏が夫々二派に分かれ、天皇方もしくは…

(2005/05/21) 『法印問答』

◇『平家物語』講座案内◇ 日 時 5月21日(土)午後1時30分〜 会 場 県民会館 1202号室 講 師 阪本信子会員 会 費 会員 三百円 一般 五百円 テキスト『法印問答』 相次ぐ息子、娘の死に追い討ちをかけるような法皇の仕打ちについに切れた清盛

(2005/05/01)『諸家仕置伺留書』

日 時 5月1日(日)午前10時30分〜 会 場 県民会館 1203号室 講 師 北村六合光会員 会 費 会員 五百円 一般 七百円 テキスト『諸家仕置伺留書』 現代では罪にはならない行為も江戸時代は重罪です。現代に生まれてよかった

再論・義経北行譚と推理小説

溝渕隆生 会員 かつてぼくは、「義経北行譚と推理小説」と題する小論を書いた。その後、インプットすべきデータなどについて想到し得たので、ここに再論する。 一 義経は平泉で死なず、東北地方を北上して、当時は蝦夷と呼ばれていた北海道へ渡った。さらに…

つれづれなるままに〈アダムとイブ〉について

山田皓一 会員 小さい頃、富士房発行の旧約物語という子供むけの本(昭和7年刊)を読んだ。その中に神はアダムの肋骨を取ってイブをお作りになった、と書いてあった。 それ以来、女は男の助骨で出来ていると信じていた。 それは、助骨を一本削って、手も足…

(9)平家繁栄

阪本信子 会員 http://d.hatena.ne.jp/hyogorekiken/20050328 からの続き 金の力でのし上がった新興貴族といわれた平家ですが、勿論財力があれば全て成功するというものではありません。 父忠盛が死んだ時、当時宮中きっての毒舌家にして、文句と小言のネタ…

源氏は人材不足

阪本生長 会員 今年の大河ドラマに因んだ話題です。 「平家物語」を読んでみると、それがいかに敗者の美学を綴った文学であるにせよ、勝者である源氏の登場人物が少ないことに気付きます。 確かに宇治川の先陣争いや那須与一のような個人的武勇を披露する場…

境界争いの歴史的考察(2)

中西輝夫 会員 池田家 その2 天正十年六月二日(一五九二)本能寺の変で主人信長が倒れ、信輝は信長の菩提を弔うために剃髪し勝入と名乗ります。尼崎の池田親子は丹羽長秀とともに秀吉に味方し、六月十三日山崎の合戦には右翼として明智光秀と戦い、秀吉の…

(8)平家はお金持ち

阪本信子 会員 http://d.hatena.ne.jp/hyogorekiken/20050321 からの続き 吉川英治さんの書かれた「新平家物語」をはじめ多くの作家が平家の物語を書かれ、今年はNHK大河ドラマ「義経」によってフィーバーになっています。 それについて史実云々をあげつ…

(2005/03/27)

「中央突破説を歩く」 日時 平成17年3月27(日)13:00集合 集合場所 神戸電鉄「鵯越駅」改札 講師 梅村伸雄(兵庫歴史研究会会長) 主催 兵庫歴史研究会 道順 鵯越駅→逆落しの崖→会下山→平業盛塚→願成寺→湊川公園16:00解散 行程 4Km(運動靴着用)雨天中止 …

(2005/04/03)古文書教室ご案内

日 時 4月3日(日)午前10時30分〜 会 場 県民会館 1203号室 講 師 北村六合光会員 会 費 会員 五百円 一般 七百円 テキスト『諸家仕置伺留書』 現代では罪にはならない行為も江戸時代は重罪です。現代に生まれてよかった

(その一)

八瀬久 会員 兵庫県の西部で広がる播磨平野の西南隅には、赤穂郡・赤穂市・相生市の二市一郡があり、これらの地域には秦河勝にまつわる多くの伝説が残されている。そしてこの地方には現在、秦、畑、八田。波田、羽田等々を名乗る方々が,「我こそは秦氏の系…

(7)平家の幸運

阪本信子 会員 http://d.hatena.ne.jp/hyogorekiken/20050314 からの続き 平家物語は平家滅亡のノンフィクションであり、ドキュメントドラマの台本です。 しかし、平家滅亡の裏には勝利者源氏の台頭があり、繁栄があるはずなのに、それについては書いていま…

(2005/05/14)尼崎の歴史散歩

尼崎は昔から京の玄関口であり、維新に至るまで海陸の要衝として譜代大名が護っていた 主催 兵庫歴史研究会 開催日 平成17年5月14日(土) 集合場所 阪神尼崎駅北側噴水前 集合時間 13:00集合(小雨決行) 講師 尼崎市立地域研究史料館々員 参加費 500円(…

(2005/04/16) 『燈炉之沙汰』

◇『平家物語』講座案内◇ 日 時 4月16日(土)午後1時30分〜 会 場 県民会館 1202号室 講 師 阪本信子会員 会 費 会員 三百円 一般 五百円 テキスト『燈炉之沙汰』

(十一)遮光器土偶―①  

十一.{しゃこうき}遮光器{どぐう}土偶―① 坂田 護 日本列島から出土した古代の遺物の中にあって、青森県の津軽平野の亀ケ岡で発掘されたこの土偶ほど、神秘的で不思議な発掘品はない。 縄文晩期のものだと言われているから、紀元前三〜四〇〇年頃の産物とい…