2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

(77)戦略家清盛の決断、都帰り

阪本信子 会員 源氏は戦わずして平家に勝ちました。 敗走軍は無統制で、陣形を整えることも出来ず、てんでに都をさして敗走した。平家の威信は地に落ち、逃げ帰った兵士の口から、その負けっぷりは広まり、平家を軽んじるようになり、今までは平家の命令に従…

(76)立つ鳥に後を濁して平家逃げ

阪本信子 会員 撤退命令が出て、心はもう京都へ飛び、逃げ腰の平家勢です。 影にも怯える彼らを襲ったのは敵の奇襲ではなく、水鳥の羽音でした。 源氏方の武田信光は抜け駆けの功をねらい、平家の後方に回り込もうとしたところ、十月下旬のことで、群れてい…

◇7月例会の報告◇

移住坂 ―世界への坂道― 講師 芦屋大学コミュニケーション科教授 楠本利夫 先生 http://d.hatena.ne.jp/hyogorekiken/20060704 移民というとドミニカ移民訴訟に見られるように、暗い、悲惨なイメージがあります。中には成功者もいましたが、それはほんの僅か…

(75)撤退は前進よりも難しい

阪本信子 会員 斉藤実盛は後づめでなく先手の中にいながら、平家の敗戦確実を悟り戦線離脱して京都へ引き返しているように、平家軍に加わった兵士たちは、恐らく次第に負け戦確実の気持になってゆき、グループで逃亡する者も日を追って増えてゆきました。し…

(74)雪月花は戦いには不向き

阪本信子 会員 源平の合戦はある意味では東と西の対決とも言えます。 古く日本は「西の政治」による「東の植民地的支配」が基本構造となっていましたが、この頃は「東の独立」志向が著しく、東が西を支配する歴史が始まったと私は考えます。 追討使の権威に…

◇8月例会の案内◇

日 時 8月6日(日)13時30分〜 会 場 兵庫県民会館304号室 演 題 「月明の大脱走」 参加費 会員 三百円 一般 五百円 講 師 高原 希国 先生 オーストラリアのカウラ市には捕虜収容所があり、多くの日本兵が収容されていた。 昭和19年8月5日早朝…

(73)平家は既に負け体

阪本信子 会員 東国追討使は平維盛を大将に、古色蒼然たる追討使出陣式を福原で行い、美々しく飾り立て平家物語風のサバ読み勘定では公称3万余の大軍で福原を出発しました。実数は多くて十分の一の3,000位でしょう。 しかし、全てスローモーションで福原出…