2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

(29)芝居っ気たっぷりの俊寛の悲劇

阪本信子 会員 平家作者は信仰心のない人間を仕立て上げ、容赦なく悲しい結末を用意しています。 逆に言えば、悲しい結末には多少に関わらず信仰心の有無が関わっているということです。 その悲劇の人が俊寛です。 俊寛の記述は赦免使と成経、康頼を乗せた船…

(2005/10/02)尼崎城を語る

◇10月の例会のご案内 ◇ 日 時 平成17年10月2日(日)13:30より15:00頃まで 場 所 兵庫県民会館 1202号室 JR・阪神「元町駅」の山側、徒歩7分。地下鉄「県庁前駅」1-2出口 演 題 「尼崎城を語る」 参加費 会員三百円 一般五百円 (申込み不要・自由参加) …

(2005/09/17) 『源氏揃』

◇『平家物語』講座案内◇ 日 時 9月17日(土)午後1時30分〜 会 場 県民会館 1202号室 講 師 阪本信子会員 会 費 会員 三百円 一般 五百円 源頼政が平家打倒の兵を挙げた原因は、何だったのでしょうか。

(2005/09/04)『諸家仕置伺留書』

◇古文書教室ご案内◇ 日 時 9月4日(日)午前10時30分〜 会 場 県民会館 1203号室 講 師 北村六合光会員 会 費 会員 五百円 一般 七百円 テキスト『諸家仕置伺留書』 所詮人間の書いたものですが、馴れの一手で読破するしかないでしょう。

(29)利用できるなら信仰も方便

阪本信子 会員 平家物語作者は島に一人残された理由として、清盛の恣意に加えて俊寛の無信心をあげています。 つまり、他の二人のうち、成経は熊野権現を勧請し、康頼と共に毎日参詣して帰京を祈り、平康頼は帰京の思いを綴った千本の卒塔婆を流し、その一本…

 七夕まつりは8月に(その2)

小合彬生 会員 大坂天満、華やかな夏祭でお馴染みの天神さん。七月二五日。これが室町時代の『康富卿記』という書物には『七月七日の天神祭』と記されています。江戸時代以前には、どうやら「七夕の夜」に天神祭りが行われていたのです。 天満宮の記録では、…

(28)悲劇大好き日本人向きヒーローは俊寛

阪本信子 会員 平家の歴史の中で、治承のクーデターといわれる事件の方が鹿ノ谷事件より重大事件ではないかと思うのですが、平家作者は鹿の谷事件には治承の政変の5倍に近い量のページを費やしています。 これは鹿の谷事件で逮捕された、法皇の側近グループ…

 七夕まつりは8月に(その1)

小合彬生 会員 10年ほど前でしたか、『たなばた祭り』について、「歴研ひろば」に投稿したことがあります。どうして毎年梅雨のさなかに星祭が行われるのか。それを分析したものでした。 今年もまた、雲の中、織姫さま(琴座のベガ)、彦星(鷲座のアルタイル…

(27) 懲りない男、成親

阪本信子 会員 平家物語において、鹿の谷事件は反平家運動を政治的な視点でなく、お涙頂戴の個人的感傷話として扱っています。 こういう話は得てして涙にごまかされ、事件の本質は見のがされ易いものです。 この事件の当事者は何れも中央から疎外され、政治…

(八)

義経の実像 一の谷合戦における鵯越の逆落し 梅村伸雄 会員 逆落し 平家物語の諸本が認める逆落しの崖は、大別して延慶本・源平盛衰記・四部合戦状本・南都本・長門本と流布本系(流布本・覚一本・八坂本・百二十句本)の六つに分けられるが、それぞれ表現方…

(26) 親孝行な成経

阪本信子 会員 鹿の谷事件の首謀者と目される藤原成親は、重盛との深い姻戚関係があり、重盛の懇願で命は助けられ備前へ流罪となりました。祖父忠盛が良かれと思って結んだ姻戚関係ですが、ここに至っては、重盛の足を引っ張る錘となっています。 「平家物語…