2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

(90)スター誕生、義仲

阪本信子 会員 義仲の父義賢は兄義朝の息子義平に殺され、その時2歳だった義仲も殺される所を畠山重能に助けられたという血族相克の悲運を味わっています。つまり義仲と頼朝は従兄弟の関係にあり、これまた相争うというのですから、源氏という氏族の体質の厳…

◇12月例会の案内◇

日 時 12月3日(日)13時30分〜15:00頃まで 会 場 県民会館 1202号室 JR・阪神「元町駅」の山側、徒歩7分。地下鉄「県庁前駅」1-2出口 演 題 北満チチハルでの終戦 参加費 一般 五百円 会員 三百円 講 師 乳原 克巳 会員 主催 兵庫歴史研究会 問合せ先…

(89)お人よし義仲は都人のカモ

阪本信子 会員 私が義仲を高く評価するのは、大権門平家一族を京都から追いだしたという歴史的役割もさることながら、彼の人となりに魅かれたからです。 平家物語「猫間」では京都人から見た彼の無作法、野卑、物知らずを笑い、乗りなれない牛車に困っている…

(88)判官贔屓が生んだ頼朝批判

阪本信子 会員 非情であることは武士の武士たる所以で、宿命というべきかもしれませんが「過ぎたるは及ばざるが如し」で、頼朝は弟たちを殺し、公暁は叔父実朝を討ち、源氏は我と我が手で源氏政権を葬っています。血で興り血で亡んだのが源氏でした。 一方、…

(87)非情は武士の宿命

阪本信子 会員 大それた望みも持たず、安穏に生きればそれでよいと思えば争いに巻き込まれることはないでしょうが、そう望んでも許されない宿命を背負った者もいます。武士は自分が生きるためには相手を倒さねばならぬという運命を生まれながらに与えられ、…

(86)ちっとも哀れじゃない美女小督

阪本信子 会員 「平家物語」中、屈指の名文の一つといわれるのが、「小督」で、作者は「源氏物語」の桐壷更衣と桐壺帝の悲恋再現をイメージしています。 はっきり言ってこれは清盛の悪行捏造が目的で、作者が力を入れて悲劇の美女としたい小督の実像は、かな…