2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

(59)「奇貨おくべし」

阪本信子 会員 『吾妻鑑』は以仁王の挙兵に始まる鎌倉幕府の歴史を綴ったものです。従って鎌倉幕府の大本営発表的な性格もあり、100%真実を伝えるものではないが、平家物語に欠落した源氏サイドからの視点が読み取れます。 北条時政は当時、大豪族どころか…

(58)旗印は素寒貧の頼朝

阪本信子 会員 頼朝挙兵は治承4年(1180)8月18日ですが、都にこの知らせが届いたのは9月2日で、半月経っています。 これからみてもそれほどの重大事件とは誰も思っていなかった事がわかります。 早馬ならば10日足らずで十分到着します。 兼実は将門の乱を想…

(57)平家の血脈は文覚が少し伸ばした

阪本信子 会員 『平家物語』で頼朝は挙兵するなら院宣が必要だと粘りました。文覚はたった8日間で京都と伊豆を往復して、頼朝に後白河法皇の平家討伐の院宣をもたらしたという超人的なお話になっていますが、私は「少々やりすぎじゃないの」と興ざめしていま…

(2006/04/02)DNAは歴史を語る―その4

◇4月の例会のご案内 ◇ 日 時 4月2日(日)13時30分〜 会 場 兵庫県民会館 304号室 演 題 「DNAは歴史を語る―その4」(天皇家の万世一系はいつまで成り立つか) 参加費 会員三百円 一般五百円 講師 柴谷武爾 (兵庫歴史研究会会員) 昨今、皇室典範…

(56)文覚上人は非行少年だった

阪本信子 会員 平家物語の中の文覚に関する話は、はっきりいって実に興ざめなもので、文覚の異常性格ばかりが目につきます。 本当にそうであったかもしれません。彼の奇矯、偏屈、目的遂行のためならば猪突猛進で、相手かまわず非常識であろうが何でもやる性…