七夕まつりは8月に(その1)

                                     小合彬生 会員
 10年ほど前でしたか、『たなばた祭り』について、「歴研ひろば」に投稿したことがあります。どうして毎年梅雨のさなかに星祭が行われるのか。それを分析したものでした。
 今年もまた、雲の中、織姫さま(琴座のベガ)、彦星(鷲座のアルタイル)に願いがかけられました。『天の川』の真ん中に白鳥座があり、主星デネブが美しく輝きます。
 七夕様とデネブを合わして『夏の大三角』といいます。8月中旬なら10時頃、真上に大三角が見えますが、7月上旬では無理、ずっと遅い時間帯になります。
 すぐ気づくように、『七夕』は、つい百年前まで、旧暦すなわち太陰暦で祭られてきました。つまり古来『七夕の星祭り』は、梅雨の最中の行事ではなくて、星が良く見える8月半ばの行事だったのです。
今年、平成17年、太陰暦の7月7日は、太陽暦で、8月11日にあたります。この日は、天文上有名な『ペルセウス座流星雨』の日にあたり、幸運なら、夜半に大量の流星を観ることができます。
 カソリックでは、この頃が「サン・ロレンツォの夜」です。1982年作のイタリア映画『サン・ロレンツォの夜』、パオロとビットリオのタビアーニ兄弟監督によるカンヌ映画祭グランプリ作品でご記憶の人も多いと思います。イタリア、トスカーナ地方には、「愛する人のため、8月10日のこの夜、流れ星に願いをかけると叶う」という言い伝え がありますこの映画は、ロレンツォの夜、若い母親が子供を寝かしつけながら自分の子供のころの戦争・米軍がローマを開放し、ファシスト達を追撃していた・の話を聞かせる形式で始まります。暑いイタリアの星降る夜が、話しのクライマックスです。(つづく)