年会誌21号

三木の形紙

坂本信子 会員 昨今は街でも着物姿が見受けられるようになりました。 明治、大正の古い着物を現代風に着こなしている若い女性を見ると、やや復権したかのような気配もみえますが、殆どの人は完成した製品の染め上がり、織りあがったものにのみ関心を持ち、そ…

再論・義経北行譚と推理小説

溝渕隆生 会員 かつてぼくは、「義経北行譚と推理小説」と題する小論を書いた。その後、インプットすべきデータなどについて想到し得たので、ここに再論する。 一 義経は平泉で死なず、東北地方を北上して、当時は蝦夷と呼ばれていた北海道へ渡った。さらに…

つれづれなるままに〈アダムとイブ〉について

山田皓一 会員 小さい頃、富士房発行の旧約物語という子供むけの本(昭和7年刊)を読んだ。その中に神はアダムの肋骨を取ってイブをお作りになった、と書いてあった。 それ以来、女は男の助骨で出来ていると信じていた。 それは、助骨を一本削って、手も足…