(124) 信子随筆 「日本の犯罪被害者は二重苦」

                              阪本信子 会員
 とにかく上から下まで日本の常識は世界の非常識です。
 司法の世界でもその量刑の軽さは外国人犯罪者にとっては魅力的で、最近出来た民営刑務所といい、娑婆にいるより余程こっちのほうが住みやすいというのでは犯罪発生率の減少は望むべくもありません。といって、私は刑務所を「この世の地獄」にしろといっているのではなく、被害者対策をもっと手篤くやるべきではないかといっているのです。
犯人の家族が引越しをするのと、被害者家族が引越しを余儀なくされている割合は殆ど同率で、社会の好奇の目に曝されることの辛さがわかります。
 日本の遺族は葬儀で思い煩い、加害者及びその代理人の誠意の無い対応に苦しめられ、裁判では責任転嫁した加害者や弁護人の「被害者にも落ち度があった」とか、「殺す気は無かった」などの恥知らずな主張に心はズタズタになり、二重の苦しみを味わっています。
 近代国家では普通に行われている被害者への支援体制は、日本においては配慮に薄く、犯罪被害者等給付金支給法にしても先進国とくらべれば、恥ずかしいほどの内容で、せめて先進国では既に実施されている「その日の食事」「寝る場所の手配」「マスコミへの対応」「ペットの世話」など肌理細やかな被害者、遺族への配慮を望むものです。
 でも「光の母子殺人事件」の弁護論法はどうみてもオカシイ。彼らも仕事だからとは思うのですが。 (つづく)