(2) 後白河法皇

                                 阪本信子 会員
http://d.hatena.ne.jp/hyogorekiken/20050207 からの続き
 平家物語には実に個性的で扱いにくい人物がいます。
 こんな人が自分の周囲(特に上司として)にいたら、さぞ回りの人達が迷惑をするだろうと思われるような人物です。
 責任を取って反省をすべき人が、沈黙、強弁、居直り、詭弁、無視など種々の手段を用いて、自分の言動を正当化したり、糊塗したり、人に責任転嫁したりするケースは多く、昨日今日の新聞を見ても探すのに苦労しません。
 それは本人にとって当然で、全く罪悪感など無いのですから、反省や謝罪は思いもつかないのです。
 平家物語の中でそれに該当する一人が、後白河法皇です。
 現代においては、罪を摘発されても死罪になることはなく、職業によっては免職も稀で、せいぜい停職、減給、戒告程度ですんでいます。
 しかし、刑罰が軽いということは犯罪認識を失わせます。
 後白河法皇の場合、法皇という身分に対する本人の甘えと、周囲の人々のそれに対するタブー意識が諸々の事件を惹き起こした原因の一つになっています。
 天皇法皇も所詮は人の子です。昔は俗っぽく、人間臭い天皇法皇が大勢いたのです。
http://d.hatena.ne.jp/hyogorekiken/20050220 へ続く