(4) 建春門院 滋子 (1/3)

                                 阪本信子 会員
http://d.hatena.ne.jp/hyogorekiken/20050220 からの続き
 平家グループの中で歴史的に重要な役割を果たしている女性がいます。清盛の妻の異母妹の滋子です。
 後に建春門院の女院号を賜った女性で、女好きの後白河の心をガッチリ掴んで、平家と後白河法皇とのパイプ役を完璧に果たしたのですからナミの女ではありません。
  親の敷いたレールの上でお人形のように男の訪れだけを待っているお姫様と違って、美女の溢れている後白河の後宮で、彼の目を自分一人に向けさせるためには、想像を絶する努力があったと思います。
 勿論、そのバックには新興財閥平家の財力がありました。法皇を引き止めるために金でできるものならば、どんな事でもしたでしょうが、所詮最後は彼女の腕次第です。
 彼女に仕えていた定家の姉が書いた日記「たまきはる」によれば、塵一つなく清げなしつらえ、召使の末々までの衣装センスは抜群で、簾の外を通る男たちを中から物欲し気に見ないようにと、女房達の躾も厳しく、法皇の気持ちを反らさぬために全力投球しています。彼女の場合、全て法皇への愛情がなさしめたとは言い難いのですが、女の成功への手段の一つと考えれば、現代の女にも一考の余地ありそうです。
http://d.hatena.ne.jp/hyogorekiken/20050306 へ続く